クラフトビールを飲むこと、これは誰にでもできるように見えて案外そうでもないと思います。
まず扱っているお店と縁がないまま過ごすと飲む機会はないですよね。
そしてそもそもアルコールが好きじゃないならなおのこと接触機会はないです。アレルギーの問題もあります。グルテンアレルギーや酵母のアレルギーなんかもあって常飲はできないという人もいます。
お金があって、アレルギーもなくて、たくさん飲めて……そんな飲み手の人からすると飲むことのハードルは比較的低いかもしれません。だから数あるビールの中から吟味して選んで味わってみて、好き嫌いの意味でそうでもないなって思ってもそこまで痛手ではないでしょう。
ただ我々提供側はなるべくそういう思いをしてもらわなくていいように寄り添わなくてはなりません。それに際して必要な知識や勉強は、ビールの先進地域アメリカの動向を見ていたら常に意識していなくてはならないものだと感じます。
実は今とってもシリアスでシビアな感覚を持っていて、これをどう広く色んな人に伝えていこうかと悩んでいる最中です。
クラフトビールを語るということについてです。もっと言うとクラフトビールが飲める場での話題の第一位がクラフトビール自体であることに対して、少し自らの力不足を感じています。美味しいビールを片手に別の話題に終始しているっていうシーンをつくるってのが実はここ最近での身近な夢です。
つまり、それにあたっては好き嫌いは人それぞれですから、まずは第一にビールを最大限の状態で提供できる努力は惜しまずいた上で、お客様ひとりひとりの要望や気分に少しでも合わせた形で一緒に選んで渡すことができれば……そうすればあるいは一杯目に「美味しいね」の一言で始まって「でさぁ、昨日あったことなんだけどね、」ってな感じに各々好きな話題の渦巻く空間に出来たら素敵だなと個人的に感じだしてます。
愚痴を言っちゃいけないと思っている人もいるのかな?と思います。全然愚痴っていいですから。不快にさせる悪口などはちゃんとファルコンシャットアウトが入りますからご安心を。
クラフトビールは背景が面白いものも多いので、やはり商品の説明をしないだとか、ビールについての話をさせないっていうこととはニュアンスが違います。なんと言いますか詳しい人しか発言権がない空間に自ずとなっていってしまう感じをなくしたいなと。意図してそういう場にすることはもちろんあります。ただ初めてのお客さんにとって難しい空間にはしたくないなと。
今まで空間づくりに関しては自信があっただけに、省みずに見過ごしてしまっていたことに気付きました。
求めていない人を巻き込んでしまう話題というものは必ず存在します。ましてやクラフトビールのお店である以上皆さん絶対見るし飲むし関わることですからクラフトビールの話というのは絶対強者であり逆らえないものです。もちろん当たり前ですが皆さん興味あるので飲んでいますから話が嫌だ聞きたくないっていうこともそれはそれであり得ません。
ただ必ずしもその時に一番優先される話題かどうかは人それぞれです。求める人には求めるだけ、求めていない人には違うことを振るということ。これはマニアックなアイテムを扱っている店にとってはより注意していかなくてはならないことなのかもしれません。
プロの方々にとってそれは当たり前のことかもしれませんが、ビアセラーサッポロのシステムとファルコンだけでそれを賄っていくのは現状厳しくって。ほったらかしのお店になってしまってますが、熱はちゃんとあるんです。だからファルコンが二人いれば楽だなと思ったり。それがあやのの存在だったりしたのですが、今はまたひとりに。
でもあと少しで強力な助っ人がやってきます。ビアセラーサッポロ本店にそういったことをすべてカバーできて、あたたかくて優しい方が立ってくれます。大阪からの助っ人です。自らのお店をここ札幌でつくり上げるまではビアセラーサッポロに在籍してくれて、その想いを紡いでくれます。
松井さん待ってます!